「バンパイアキラー」クリア

悪魔城シリーズ唯一のメガドライブ作品。「タイトルに悪魔城を冠さない」「主人公がベルモンド家ではない」というまたもや異色作。ゲームスピードも随分と速くなった。

 

1面開始から色味のどぎついグラフィック、キャラクターの軽快な操作性、気分を高めてくれるBGMの神速三段突きで傑作だと確信した。その後もグロテスクな背景描写やギミックの滑らかな動き、ド派手な演出で少し進むたびに興奮させてくれる。

死体を啄むカラス達

BGMといえば、今作はシリーズお馴染みの山根ミチルさん初参加の作品でもある。過去作の音楽性を継承しつつ、ゴシック色の強いメロディはどれも素晴らしい。悪魔城らしいかっこよさに物悲しさも含む1面、海の深さと癒しの2面、不協和音と混沌の3面、威厳と悲壮さの4面、格調高いクラシックな5面、進撃するオーケストラの6面、というイメージ。

 

操作キャラクターは鞭使い枠のジョニー、槍使いのエリックの二人から選択するダブル主人公制。ストーリー的にこの二人は協力しているらしく、「悪魔城伝説」のように切り替え式にする案もあったのかもしれない。そっちは息子に任せよう(DS作品の移植もお待ちしております)。

ストーリーは「ドラキュラ復活を目論むエリザベート・バートリーの野望を阻止するため、魔窟と化したヨーロッパ各地の名所を解放(破壊)していく」と、悪魔城にしては随分とスケールがでかい。ルーマニアを皮切りにギリシャ、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、とヨーロッパ全土を巡る大スペクタクルアドベンチャーである。

 

サブウェポンは斧、聖水、ブーメランの3種類で、通常使用の他にジュエル(他作品のハート)を4個消費することで射程に優れた攻撃が繰り出せる。さらに武器の強化レベルが4に到達すると強力なアイテムクラッシュが解禁されるが、このレベル4の仕様が「ドラキュラ伝説」に準拠して被弾で解除されてしまうため維持が難しい。

 

今作で追加されたキャラクターごとの固有アクションは、発動中無敵な上にしっかり攻撃判定も付いてくる。ガンガン使っていきたいところだが、SFCから継承されたジョニーの「ロープフック」は天井に鞭が届くという条件下でしか使用できないのに対し、エリックの「スピア・ハイジャンプ」はどこでも使用可能で、高い跳躍での回避能力はもちろん、上に登り続けるマップも悠々とスキップすることができる。動き続けるボスならこれを連発するだけで勝てることも。

その性能差から「血の輪廻」を彷彿とさせそうだが、そもそも二人とも基本のアクションが軽快で操作しやすく、難易度としてもアニバーサリーコレクション中「最も易しい」と感じられるほどサクサク進めるバランスなので気にならない。クリア後に追加されるEXPERTモードも要所要所(だいたいゴーストのせい)が厄介になっているものの、最後まで楽しく遊べた。

 

キャラ雑感。攻撃ボタン長押しで判定延長。滞空中の下攻撃は共通。

・ジョニー

攻撃後の硬直が短くヒットアンドアウェイに優れる。ロープフックのタイミングには慣れが必要。シモンの鞭マスタリーほどではないが滞空中に斜め上攻撃が出せる。特定のボス戦でも天井が設置されてるので上手く決めればスタイリッシュ。

 

・エリック

硬直はジョニーよりも少し長め。ハイジャンプの利便性が非常に高く、苦手なコウモリやメディウサヘッドも全く怖くない。地上で上三方向に攻撃が出せる。ジョニーが龍ならこっちは虎(よく飛ぶけど)。地味にしゃがみ攻撃の発生が速い。

 

以下スクショ

1面「ドラキュラ城跡」

生まれた意味を知るスケルト

 

2面「アトランティス神殿」

 

3面「ピサの斜塔

 

4面「兵器工場」

硬直に慣れないエリックの落ち所


5面「ベルサイユ宮殿」全ステージ一番の難所

セグウェイ騎士

ガトリング騎士

 

6面「プロセルピナ城」

悪魔城では珍しいボスラッシュ

 

いよいよ最終決戦!というところで階段を踏み外してゲームオーバー。笑いながらパスワードをスクショ。