「悪魔城ドラキュラ(SFC)」クリア

シリーズ1作目「悪魔城ドラキュラ」のリメイク、のようで違う「血の輪廻」と「XX」の関係に近いほぼ別物。

 

ハードの性能が向上したことでグラフィックが大きく進化し、ステージ背景もより鮮明に描かれている。表と裏の2ライン構成(1面序盤だけだったのが残念ではあるが)で奥行きの表現、拡大機能を利用した巨大なゴーレムやシャンデリア、背景を回転させるなど、演出面でも遊びが散りばめられていた。

 

透明人間や踊る幽霊、動く棺桶など、今までとは毛色の違うビジュアルや変則的な動きをしてくる敵が数多く登場する。特にカーネル・サンダースの突進には面食らった。

そんなモンスター軍団に紛れ込むかわいいハリモグラアルマジロ?)

 

鞭は従来の横方向だけでなく、上下と斜めも含めた8方向に攻撃することが可能になった。それに伴いサブウェポンもワンボタンで使えるように。

他にも攻防一体の振り回し攻撃や、ステージ各所に配置されているフックを利用したワイヤーアクションが追加され、動きの幅も広がった。さらに悪魔城伝説ではグラントだけが可能だった空中制御も標準化され、しゃがみ状態での移動(スライディング)、滞空状態から階段に着地できるようになるなど、後のシリーズの基本となるアクションも完備され、より快適な操作性が味わえる。

 

難易度としては比較的易しい「血の輪廻」よりもさらに簡単な方。燭台から頻繁に肉が飛び出してくれるのがまずありがたい。

地形と敵のコンビネーションで落下ミスを誘うのがこのシリーズの特徴だが、今作はその手の構成自体が少ない。即死トラップの多い8面ではミスが嵩むという程度で、そのトラップもランダム性がないので躱しやすい(ボス前の消える橋だけは法則性が分からなかったが)。

また上に書いた通り、鞭の方向指定が追加され「アクションの幅が広がった」おかげで柔軟に立ち回れるようになったことが何よりも大きい。上方向へ迎撃できることで過去作で苦戦していた敵にも対処しやすくなり、今作で速度が強化されたデス様に対しても左端に陣取れば優位に戦えた。

 

とはいえサブウェポンの有用性が下がってしまったからか、単純にプレイヤー側が強すぎるのが問題だったのか、残念ながらこの鞭の取り回しの良さは後の主人公たちに継承されなかったらしい。シモン・ベルモンドの卓越した鞭さばきは唯一無二だった。

 

ノリよくかっこいい曲調が多いシリーズの中、今作の落ち着いたBGMは比較的地味に感じてしまうものの、これはこれでホラー感を重視したステージ背景やモンスターのビジュアルとうまく合わさって、より「おどろおどろしさ」を引き立たせてくれる。

「ゴシックホラー」というテーマ性を重視した、ある意味シリーズとしては異色作でありつつ、後継作品の土台となるアクションを数多く生み出し大きな進歩を遂げてくれた、まさに革命的なゲームだった。

 

接近で圧をかけてくるバクトタイプ。残機UPのおかげでゲームオーバーの心配はない

第二形態のくちばしが厄介な難敵ベリガン

初見ノーダメ突破でボスラッシュの恥さらしギャイボン

被弾確定

 

2周目は敵の配置、特にコウモリの数が急激。1周目よりは確実に難しかったが他の作品のように無限湧きしないあたりやっぱり良心的。

ここ(カラスのジェットストリームアタック)だけは例外