「ニーア オートマタ」クリア

終盤、というか三周目はずっと空しい戦いだったわけだけど最後は静かな幕引き。いいじゃない……。Cエンドの方はスタッフロールをきちんと見ようと思ったらポッド達の介入とともにEエンド、からいつものアレに突入。

珍しく中盤までは何とかなったけどスクエニゾーンの辺りでリトライ地獄へ。そして他のプレイヤー達が応援メッセージと共に協力してくれる「ぼくらのウォーゲーム」タイム。こういう熱い演出は大好物なんだけど「このゲームってそういう作風だっけ?」と少々乗り切れなかったところはある。

 

前作「ニーア レプリカント」の特徴の一つである音楽の良さは、もちろん今作にも受け継がれて素晴らしいものばかり。なんだけどこれが却って悪く働いてしまった箇所が一つだけある。

 

それがクエスト。

話としては大抵が人探し→死んでましたオチのパターンで正直薄い。何の感慨も浮かばないことが多い。

とはいえそこは死によって「世界の無情さ」を表現したいんだろうと理解できる。が、そこでさっきの素晴らしい音楽が浮上してくる。

エスト完了の度に流れる感傷的で荘厳な音楽。クエストを終えて何か感じられたかというと特になくて、でも音楽は悲しさを激しく主張してくる。温度差の極み。これが結局最後まで払拭できないままだった。

 

実はこのゲームの購入をためらっていた大きな原因であるのが、前作二周目から追加されるボスの回想シーン。最初はあの演出やバックボーンに心震わされたものだったけど、次第に「いつもの悲しい話」としてパターン化、マンネリに感じてしまった。それが今作ではクエストに継承される。悪い予想が当たってしまった。

印象に残ったクエストももちろんある、が上でも書いた通り全体的なマンネリ化は拭えなかったしクエスト内容自体もお使いが大半で、これも悪い意味でありがちなオープンワールドの図式に収まった。

 

エストとは別だけど色んな場所で襲い掛かってくる「黄金の機械生命体」は憎しみ、怒りをこれでもかとぶつけてきて凄くよかった。ああいう真に迫るものがもっとあれば。

 

肝心要のアクション。シンプルな操作でコンボを浴びせつつジャスト回避、カウンター攻撃でスタイリッシュに決めろ!……とできたら良かったんだけど、中盤辺りから敵の物量と電磁シールド型の鬱陶しさが目立ってくる。結局は大型剣のダッシュ強を投げ続ける、前作でいう「ダッシュ突き」を彷彿とさせるワンパターン戦法に落ち着く。これに関してはもっといいやり方があったかもしれない。

せっかくのスタイリッシュ追撃も、スタンさせる前に敵が破壊されてしまう程度には発動機会がなかった。対大型なんかデバッグルームで初めて見たぞ。もったいない。

 

9Sのエネミーハッキング程度ならかわいいものだけどストーリー中のSTGパートはまあ面白くない。めんどくさい。STGを推すのは構わんがせめて面白くしてほしい。

 

メインストーリーの心配は杞憂に終わってよかった。ところどころ登場人物の感情の爆発が唐突に感じてしまうシーンや、パスカルの村の顛末は割と強引さを感じるところもある(恐怖を学習したからといって一人残らず自死を選ぶのか?)けど最終的にはいい終わり方だった。

 

そして最後、まだやりたいことがあるのでお断りさせてもらったが、おなじみのセーブデータ削除は清々しい読後感を与えてくれるはず。